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ほのぼの○○……
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ブロロロ……

明石「……」
笠置「……」
明石「……なあ、まだムクれてんの」
笠置「べつに……」
明石「だから、勝手にお寺に迎えにいったのは謝るっていってるじゃん」
笠置「生徒たちのまえで恥をかかせて……他校のひともいるっていうのに」
明石「しょうがないでしょー。もとはといえば、奈津子がぜんぜん連絡くれないから」
笠置「夜の自由時間もつぶして部長の子に指導してたのよ」
明石「指導ねえ。指導といえば、なんか他校の教師が男だったよな。どういう関係?」
笠置「関係なんて……。たまたまウチと鈴里の部長同士がふたごの姉妹だったというだけの話よ」
明石「あのハゲ教師のおまえを見る目は、ふつーじゃなかったけどなぁ。あンのくそハゲ野郎」
笠置「ハゲハゲって、あなたもそうとう来てるわよ。十年後にはおともだちかもね」
明石「……ちっ」
笠置「それより、このminiに、だれか乗せたでしょ」
明石「(ぎく)」
笠置「助手席のシートの角度が微妙に違ってるのよね……」
明石「とっともだちに貸したんだよ! ほらサーフ仲間のケンちゃんにさ!」
笠置「べつにあなたのクルマなんだから、誰を乗せたってかまわないけど」
明石「信じてよー!!」
笠置「こんどバレるようなヘタな浮気をしたら、この車ボっコボコにするから、覚悟しといて」
明石「……はい……」
笠置「……」
明石「……」
笠置「……つぎの信号のむこうの、アソコに入って」
明石「えっ? あれホテルだけど……」
笠置「一週間も禁欲的な生活したもんだからイライラしちゃって」
明石「了解〜〜!」

ほのぼのとめはね……
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望月「大江くん、これぐらいで勝ったと思わないでよね!」
大江「……」
加茂「まあまあ望月、そんなキツク云うなって」
三輪「ゆかりちゃんもおとなしすぎ。ちょっとは云い返せばイイのに」
望月「そうよ! あんた見てるとイライラすんのよ。少しは自分ってもんを出したら!?」
大江「……ごくっ」
加茂(おおっ?)
三輪(ゆかりちゃんの目の色がかわった……)
望月「なっなによ。やるっていうの?」
大江「ユー・スタッピド・クレージー・マザファッキン・サノバビッチ!」

加茂「……」
三輪「……」
望月「……」

大江「ハアハア……ホーリーシット!……」

望月「なんか余計ハラたった。三角締めで落とすわ」
加茂「そうだな、それがいいな」
三輪「弁護できないわね……」

大江「ノー! ヘルプ! ジーザスクライスト!」

ほのぼのとめはね……

加茂「あー、終わった終わった……」
大江「どうしたんですか先輩、ぐったりしちゃって」
加茂「進路相談だよ。めんどくせぇ。なーんも考えてないっつーの」
大江(すこしは考えればいいのに……)
加茂「ゆかりは進路どうするつもりだ? まだ一年だから考えてないか」
大江「そうですねえ。獣医学部にいきたいと思ってますけど」
加茂「エー! 意外! なんでまた?」
大江「ムツゴロウさんが大好きで……獣医になるというより、研究家になりたいんですよ」
加茂「ああ、たしかに研究家タイプかもしれんな」
大江「ワホリアン・ハスキー犬の研究に一生をささげたい!」
加茂「ワホリアンって、もしかして望月が飼っているアノ珍獣か」
大江「カナダのプリンスエドワード島原産なんですよ」
加茂「あっ、おまえが帰国前に住んでいたトコ」
大江「そうです。なんだか、不思議な縁みたいなものをあの犬には感じるんですよね……」
加茂「とかなんとかいって、望月への下心アリアリなんじゃねーの?」
大江「ゴホン! それはともかく、やっぱり北国育ちですから、北海道大学なんかいいなあ……」
加茂「北海道か……じゃあいまからジンギスカンとウニイクラ丼を予約しとくわ」
大江「いやだ、といっても押しかけてくるんですよね、きっと……」
加茂「のみこみが良くてよろしい」

望月「……おふたりさん、なんの話ですか?」
加茂「おー、望月。おまえは高校卒業後のこと考えてるの?」
望月「進路ですか? もう立体大の柔道部に内定してます」
加茂「スカウトはやっ!!!」
望月「あこがれの来留間センパイや金メダリスト粉川サンの後輩ですよ! ……大江くんは?」
大江「ぼく早稲田!」
加茂「!?」
大江「やっぱり東京が一番だよね。大都会でクールなキャンパスライフを送るのさっ」
加茂(さてどうやってツッコムべきか……)

ほのぼのとめはね……

三輪「あら、ゆかりちゃん、顔面蒼白」
大江「み、三輪先輩……マジでヤバいんです、助けてください」
三輪「あたしを頼ってくるなんてレアケースねぇ。いいわよ、聞かせてもらおうじゃない」
大江「めっちゃ怒ってるんです……加茂センパイが」
三輪「あらら」
大江「昼休みに、いつものようにパンを買いに行かされたんです」
三輪「加茂ちゃんの大好物っていったらコロッケパンね」
大江「それが間違って焼そばパンを買ってしまったんです」
三輪「どうやったら間違えるのよ……」
大江「しかも、おつりのお金を途中で落としてしまって、30円」
三輪「ドジねぇ。でも、そんぐらいで加茂ちゃん怒るかしら」
大江「歯をくいしばれ!と云われたから、よけようとして、とっさにセンパイの胸を……」
三輪「えっ、揉んじゃったの?」
大江「不可抗力で……思ったより柔らかかったけど……」
三輪「ほんとにウッカリぃ? でもまあ、そりゃ加茂ちゃん怒って当然だわな」
大江「いまもボクを目の色を変えて探してるんです。捕まったら殺されちゃいます」
三輪「それであたしに助けを求めにきたわけだ」
大江「はい……お願いします」
三輪「そうねえ。とりあえずきょうの部活はお休みなさいな。頭を冷やす時間が必要だから」
大江「わかりました」
三輪「それで明日はおわびになにかオミヤゲをもってきなさい。ケーキとか団子とか」
大江「ううっ、やはり甘いモノが効きますか」
三輪「あとはなんとか、あたしがウマイこと云って丸くおさめておくからさー」
大江「お願いします……頼りにしてます」
三輪「じゃあ、ハイ」
大江「……なんですか? この手は」
三輪「相談料。3000円でいいわ」
大江「ボクそんなに手持ちが……」
三輪「なんなら、ゆかりちゃんが加茂ちゃんを押し倒したって、望月さんに報告してもイイけど?」
大江「……」

ほのぼのとめはね……

加茂「わたし、メガマックのセット、コーラで」
三輪「マックフルーリーのオレオと、ナゲット。バーベキューソース」
日野「三角チョコパイとアイスコーヒーください」
加茂「……二階にする? 禁煙席あいてるかな」
三輪「あ、あそこの窓際にしましょう」
日野「いただきまーす」
加茂「いやー、きょうの部活もつかれたなー」
三輪「ほんとね。甘いもののおいしいコト」
日野「甲子園もまじかだからね。弱音吐いてる場合じゃないよ」

隣の客(えっ? この子たち高校球児!?)

加茂「おっ、窓のそと見てみろよ。望月がまた男と歩いているぞ。久我だ」
日野「柔道部の帰りね」
三輪「あの子もよくやるわね〜。月水金はボウズの子で、火木土はゆかりちゃんか」
加茂「ふたりを手玉にとって……いや鵠沼のイケメンもいるから、三人だな。悪女め」
日野「いったい誰が本命なのかしら?」
三輪「恋愛なんかしてる場合じゃないってのが実際のトコじゃないの?」
加茂「そうだな……、マジで忙しそうだからな、あいつ」

三人は、窓に映る自分らの顔を見つめた。
(なんであんな忙しい人間がモテて、あたしらみたいなマックで
 ヒマつぶしている人間にはオトコができないんだろう……)

加茂「すこしは分けろよな……」
三輪「あっ、ごめん、ナゲット食べていいよ」
加茂「え? 違う違う。そーゆーコトじゃないって」
日野「いろんな意味で疲れてるみたいね、私たち」
三輪「そうね、笑ったほうがいいわ。スマイルゼロ円っていうし」
三人「いっせいの……ニコー」

ほのぼのとめはね……
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