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ほのぼの○○……
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(この話のみ、ほのぼの帯ギュ……となっております)

さびれたラーメン屋。客がカウンターで酔いつぶれている。
店のかたすみには14インチテレビ。

店主「……お客さーん」
仲安「……zzz」
店主「お客さん、はじまりますよ、オリンピック女子柔道」
仲安「……んー?」
店主「宮崎麻理選手がでてきましたよ」
仲安「……おー。そうだったそうだった」
店主「もう準決勝ですよ。お客さんぜんぜん起きないから」
仲安「悪りぃね悪い……ビールもう一本くれる?」
店主「……」
仲安「……(ごくごく)プハー……」
店主「……そこだっ」
仲安「おっ……よし! 技ありか、惜しい」
店主「……」
仲安「……」
店主「……おー、勝った」
仲安「メダル確定か……」
店主「すごいですね、宮崎麻理」
仲安「そうだな……」
店主「……」
仲安「……おやじ、宮崎麻理の旧姓知ってる?」
店主「クルマでしょ」
仲安「来留間麻理……そう、来留間麻理……」
店主「それが……?」
仲安「来留間麻理がもしおれと付き合っていたとしたら、どうする?」
店主「…………酔ってますね、お客さん」
仲安「……そうだな」

ほのぼのとめはね……
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日野姉妹5歳。入浴中。

ひろみ「よんじゅーはーち……よんじゅーきゅー……ごーじゅっ」
よしみ「よしっ、出よう!」
ひろみ「まだだよ。百までだよ」
よしみ「放せっ、ノボせてしまう」
ひろみ「だーめ」
よしみ「ひろみの数え方は遅いから、事実上、百までいってるよ!」
ひろみ「よしみんって、ときどきムツカしい言葉つかうからわかんない」
よしみ「トロい姉のせいで妹が苦労してんだよ!」
ひろみ「だめったら、だめー」
よしみ「放せ、くそー」
ひろみ「ふふふ……口では負けるけど、力はお姉ちゃんのほうが上ね」
よしみ「……わかったよ、もー。わかったから早く数えろ」
ひろみ「えーと、三十からだっけ」
よしみ「五十!!」
ひろみ「はいはい。ごじゅいーち……ごじゅにー……」

ひろみ「ななじゅーなな……ななじゅーはち……」
よしみ「……」
ひろみ「ななじゅーく……きゅーじゅ!」
よしみ(……おっ! 間違えやがってガキめ。でも指摘しないでおこう……)
ひろみ「……きゅーじゅなな……きゅーじゅはち……)
よしみ(もうすこしだ……くそ目がかすんできた……)
ひろみ「きゅーじゅきゅー……はーちじゅう!」
よしみ「ぶくぶくぶくぶく……」

ほのぼのとめはね……

インターハイ決勝……

久我「おりゃあ!」
主審「一本、それまで!」
久我「うおおお、やったぞっ、全国制覇だ!」
顧問「……やったわね、新入り! 三年目で日本一なんて快挙よ!」
久我「あざす! これも先生の指導のおかげっす」

(……あと、2年前に望月と運命の出会いがあったおかげだな……)

久我「……あれ、そういえば望月は?」
顧問「見てないけど……」

そのころお寺。

望月「……ちゃーっす! 遅くなりました!」
大江「わっ、望月さん、ほんとにきた」
望月「あたりまえでしょ。書道部の合宿を一日でも欠かすなんて!」
加茂「おー、望月、きたか」
望月「あれっ、先輩たち。なんでOBが来てるんすか」
加茂「もちろん、夏だからっておまえらが不純異性交遊に走らないよう監督にな!」
大江「……勘弁してくださいよ」
三輪「それはそうと、望月さん、インターハイ三連覇おめでとう」
望月「あ、どうも! 知ってたんすか」
大江「女子のタイトルを総ナメだよね」
望月「やー、それより合宿が気になって、 男子戦も閉会式もシカトして速攻帰ってきちゃいました!」

ほのぼのとめはね……

喫茶店にて。

加茂「おーい、こっちだ」
大江「……あー、すいません、お待たせしちゃって」
加茂「いいってことよ。悪いな、呼び出して」
大江「いつものことですから……コーヒー下さい」
加茂「……どうだ、就職活動は」
大江「おかげさまで市役所で決まりそうです。それより卒業論文が……」
加茂「あいかわらず日本語で苦労してんのか」
大江「はあ、まあ……加茂先輩はどんな調子ですか」
加茂「まともな勤め人だったら、こんな時間にブラブラしてるだろうか」
大江「……」
加茂「そんな目で見るなよ。こういう生活も気楽でいいぜ」
大江「そういえば、そのジャージ、半年前に会ったときも着てましたね」
加茂「うるさいな。おまえもつきあわないか? あそこのパチ屋、一時開店だぞ」
大江「遠慮しときます……」
加茂「日野ちゃんとか、三輪ちゃんはどう? うわさ聞く?」
大江「まあ、たまには……部長さんとこの双子の赤ちゃん、かわいかったですよ」
加茂「日野ちゃん似? テッシー似?」
大江「部長さんですかね。三輪先輩は、加茂先輩がメールくれないって嘆いてました」
加茂「だって、絡みづらくてよ〜。あいつ裏切ってイイとこ就職しやがって」
大江「……」
加茂「……おっと、ぼちぼち……」
大江「あ、ハイ。……えーと、5万でいいですか」
加茂「わりーな、いつもホントに。今月まじピンチでよ」
大江「あの……おもいきって云うんですけど……」
加茂「……」
大江「こういう生活は……そろそろやめにして……ぼくへの返済も……」
加茂「んだぁ? 説教かコラ」
大江「……いえ、そういうつもりじゃ……加茂先輩のためを思って……」
加茂「調子こいてると、ファーストキスの練習相手になってやったこと、望月にバラすぞ」
大江「……」

ほのぼのとめはね……

部室にはその日、三人いた……

三輪「きょう来てるのこれだけ? 少ないね〜」
日野「加茂ちゃんは、生理痛って早退してたわよ」
望月「大江くんは掃除当番が終わってからくるそうです」
日野「そう……。でもまあ、書道甲子園のしめきりも近いし、各自がんばりましょう」
望月「そうですね……」

日野「……ちょっと席はずすね」
三輪「どしたの?」
日野「影山先生のとこに相談にいってくる」
三輪「そう。いってらっしゃい……」

三輪(あれ……)
望月(ちょっと、この空気……)
三輪(沈黙、気まず〜……)
望月(……なにげに、三輪先輩と二人きりになるのはじめてだっけ……)
三輪(書道部に望月さんを入れる入れないで、けっこうモメたよな……)
望月(ちょっとぉ、年上でしょ……なにか話題ふってよぉ〜)
三輪(正直いって、あの子となに話していいかわかんないし……)
望月(……)
三輪(……)

大江「……どーも、遅くなりまして……」
三輪「おめっ、遅ぇんだよ!」
望月「とっとと来いよ、このクズが!」
大江「えっっ、えっ?? なんでいきなり切れてるんスか??」

ほのぼのとめはね……
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