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ほのぼの○○……
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ボイド「……待たせたな」
スラン「さほど……」
ボイド「ガイゼリックの件について」
スラン「だと思った」
ボイド「これ以上ベヘリットが回収されるのは見過ごせぬ」
スラン「……むろん」
ボイド「フェムトは動けるか?」
スラン「しばらく顔すら見ておらぬ」
ボイド「謀叛者ガニシュカにかかりきりか」
スラン「ここはユービックに任せるのが得策かと……」
ボイド「おぬしは忙しいのか」
スラン「あいにく黒い剣士が妖精峡へとむかっているのでね」
ボイド「そちらも要注意だな……」
スラン「では、ユービックで……」
ボイド「うむ……」
スラン「……」
ボイド「……」
スラン「あ、そうだった……」
ボイド「?」
スラン「忘れるところだった。義理だけどな」
ボイド「……毎年すまんな」

ほのぼのベルセルク……
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ロクス「ゾッドどの……こんなところにおられましたか」
ゾッド「……」
ロクス「こんな川っぺりに寝転んでいたら、風邪を召しますよ」
ゾッド「風邪か……使徒が」
ロクス「冗談です。グリフィスさまがお呼びでしたよ」
ゾッド「……いないと云っといてくれ」
ロクス「……」
ゾッド「……」
ロクス「……まあ、たまには反抗したいときもありますよね、正直……」
ゾッド「反抗というわけじゃないけどな……」
ロクス「わかります、わかります」
ゾッド「悪いひとじゃないんだが……なんというか」
ロクス「そうそう……」
ゾッド「上司として、というか、上官として、というか……」
ロクス「ゴッドハンドとして、というか……」
ゾッド「……まあ、なんといっていいか、部下の気持ちってもんを……」
ロクス「情状を酌量してくれても……というんですかね」
ゾッド「そうそう……うまく云えないんだが……」
ロクス「わかります、わかります……」
ゾッド「高飛車っていうの?」
ロクス「鷹だけにね……」

ほのぼのベルセルク……

セルピコ「あのー、ガッツさん……」
ガッツ「……ん?」
セルピ「みんなから離れて、ふたりきりで折り入ってお話が……」
ガッツ「……わかった」

ガッツ「……ここらへんでいいか」
セルピ「はい、十分です」
ガッツ「で、なんだよ」
セルピ「あのー、まことに申し上げにくいんですが」
ガッツ「早く云え」
セルピ「路銀のほうが……そろそろ底をつきかけていて」
ガッツ「……なんだ、そういう話かよ」
セルピ「もはや宿にとまるどころか、きょうの夕飯代にも事欠くありさまで」
ガッツ「ファル姉ちゃんはイイとこのお嬢様じゃなかったのか? ヴァンなんとか家の」
セルピ「出奔した身ですよ。アビニオンの時点でほとんどスッカラカンでした」
ガッツ「ほんとにヤバいのか? まじにまじで?」
セルピ「ほんとうです。パーティ増えすぎなんですよね……」
ガッツ「しょーがねーな。……ほら、これ使え」
セルピ「えっ……これは……こんなに?」
ガッツ「大事に使えよ」
セルピ「どこにこんな隠しもってたんですか? どうして云ってくれないんです!」
ガッツ「聞かれなかったからな……」
セルピ「……」
ガッツ「話はおわりか?」
セルピ「あ、はい」
ガッツ「……なんでぇ、てっきりオレぁ、またおまえが決闘を申しこんできたと思ったのによ」
セルピ「……ガッツさん……ひどい……まだ仲間だと思ってくれてないんだ……」
ガッツ「お、おい! 泣くほどのことかよ!」

ほのぼのベルセルク……

カーン! カーン! きょうも鉄を打つリッケルト。
かれのこころには二つの人格がひそんでいた。

善のリッケルト(頑張って良い武具を作らなくちゃ!)
悪のリッケルト(よせよせ、腕がくたびれるだけだ)

カーン! カーン!

善(志なかばにして逝った鷹の団のみんなのためにも、ぼくがあきらめてはいけない!)
悪(もうみんな死んでんだぜ。新しい鷹の団は使徒の集まり、おまえも仲間に入るか?)

善(まだガッツがいるじゃないか。ガッツはぼくを信頼してくれてる)
悪(でも、もうゴドーやおまえのつくった武具を捨てて、狂戦士の鎧を着ているぜ?)

善(ぼくは戦いに向いてない。こういう器用さが生かせる仕事が天職だ!)
悪(鏡を見ろよ。男娼として売りだせば、貴族や商人がほっとかないぜ……)

カーン! カーン!

善(エリカちゃんをしっかり育てないと! ゴドー親方からの遺言だ!)
悪(熟れごろになるまで……だろ?)
善(……)

カーン! カーン! カーン!……

ほのぼのベルセルク……
カーン!カーン! リッケルトが鉄を打っていると、ひょいと大男が現れた。

ガッツ「よお、また逞しくなったな……」
リッケ「ガッツ!!」
ガッツ「おいおい、感激しすぎだろ」
リッケ「だって……ボク……不安で……ぐすっ」
ガッツ「そんなにオレたちのことを心配してくれてたのか」
リッケ「それもあるけど……正直、自分のやっていることに自信がもてなくて……」
ガッツ「ほう……」
リッケ「ボクは、このままではたしてゴドー親方やガッツや……ぐすっ」
ガッツ「……」
リッケ「鷹の団のみんなみたいに、立派な男になれるんだろうかと不安で……」
ガッツ「……おめーも、もう世間知らずの坊ちゃんじゃなくなったというコトか」
リッケ「ちょっと! 笑い事じゃないんだよ!」
ガッツ「わかってる、わかってるって……そうだなあ、その剣を見してみろ」
リッケ「これ? 昨日できたばっかりだけど……」

ガッツは剣を大上段にかまえると、無言で振った。一瞬にしてその顔が曇る。

ガッツ「……思ってたより深刻だな」
リッケ「深刻って……なにが?」
ガッツ「エリカはどこだ? つれてくぜ」
リッケ「ちょっと、どうしてだよ! ドコが悪いってんだよ!」
ガッツ「胸に手をあてて聞いてみろ。おまえは使徒以下のけだものだ!」
リッケ「ガッツぅぅぅ…………!」

ほのぼのベルセルク……
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