日野姉妹、入浴中……
ひろみ「いーち、にー」
よしみ「さぁん!!」
ひろみ「……ど、どうしたのよ、よしみ? 急にヘンな声をだして」
よしみ「べつに……つづけなよ」
ひろみ「よーん、ごー」
よしみ「ろぉく!!」
ひろみ「もー、なんでニワトリが絞め殺されるような声だすのよー。心臓に悪いじゃない」
よしみ「ひろみィ。書の練習も大事だが、たまにはテレビも観たほうがイイぞ」
ひろみ「目が悪くなっちゃうし……」
よしみ「手遅れだッつーの」
ひろみ「くだらない番組ばっかりなんだもん。興味ない」
よしみ「ある程度ハヤリのネタを知っとかないと、部員たちとコミュニケーションがとれんだろう」
ひろみ「えーッ! よしみン、そんなトコまで気をつかいながら部長をやってるの?」
よしみ「とーぜん。字がうまいだけじゃ部長はつとまらないんだよ。ルネッサーンス!」
ひろみ「あッ。アレなら知ってる! ゆーたいりだつー!」
よしみ「古いから。それにソレ、中学のとき、お楽しみ会で二人でやったネタじゃないか」
ひろみ「あのときはウケたよね」
よしみ「ウケたっていうか、失笑だったけどな」
ひろみ「あのとき、よしみン、重くて重くて……」
よしみ「ナニ云ってンだよ! 生まれてからずっと同じ体重だろ!」
ひろみ「妹のためにあのとき、お姉さんがどんだけ犠牲を強いられ苦しんだコトか……」
よしみ「わーったよ! そんな言いがかりつけるなら、今度はワタシが下になってやるよ!」
ひろみ「えッ? いまこのお風呂場で? 裸で?」
よしみ「ウチの風呂は広いからイケるだろ……さあイイぞ、来い」
ひろみ「じゃあ失礼いたしますね……」
よしみ「オイオイ、向きが反対! 背中から来いよ!」
ひろみ「あっ、アハハ、ゴメンゴメン。……よしみン顔が真っ赤だけど、のぼせちゃった?」
よしみ「う、うるさいっ!」
ほのぼのとめはね……
ひろみ「いーち、にー」
よしみ「さぁん!!」
ひろみ「……ど、どうしたのよ、よしみ? 急にヘンな声をだして」
よしみ「べつに……つづけなよ」
ひろみ「よーん、ごー」
よしみ「ろぉく!!」
ひろみ「もー、なんでニワトリが絞め殺されるような声だすのよー。心臓に悪いじゃない」
よしみ「ひろみィ。書の練習も大事だが、たまにはテレビも観たほうがイイぞ」
ひろみ「目が悪くなっちゃうし……」
よしみ「手遅れだッつーの」
ひろみ「くだらない番組ばっかりなんだもん。興味ない」
よしみ「ある程度ハヤリのネタを知っとかないと、部員たちとコミュニケーションがとれんだろう」
ひろみ「えーッ! よしみン、そんなトコまで気をつかいながら部長をやってるの?」
よしみ「とーぜん。字がうまいだけじゃ部長はつとまらないんだよ。ルネッサーンス!」
ひろみ「あッ。アレなら知ってる! ゆーたいりだつー!」
よしみ「古いから。それにソレ、中学のとき、お楽しみ会で二人でやったネタじゃないか」
ひろみ「あのときはウケたよね」
よしみ「ウケたっていうか、失笑だったけどな」
ひろみ「あのとき、よしみン、重くて重くて……」
よしみ「ナニ云ってンだよ! 生まれてからずっと同じ体重だろ!」
ひろみ「妹のためにあのとき、お姉さんがどんだけ犠牲を強いられ苦しんだコトか……」
よしみ「わーったよ! そんな言いがかりつけるなら、今度はワタシが下になってやるよ!」
ひろみ「えッ? いまこのお風呂場で? 裸で?」
よしみ「ウチの風呂は広いからイケるだろ……さあイイぞ、来い」
ひろみ「じゃあ失礼いたしますね……」
よしみ「オイオイ、向きが反対! 背中から来いよ!」
ひろみ「あっ、アハハ、ゴメンゴメン。……よしみン顔が真っ赤だけど、のぼせちゃった?」
よしみ「う、うるさいっ!」
ほのぼのとめはね……
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ひろみ「トントン」
よしみ「入ってまーす」
ひろみ「ドンドンドン!」
よしみ「入ってるってば!」
ひろみ「ちょっと……急いでよ、よしみン……」
よしみ「ンな急に云われてもなあ……次の列車は前々駅を通過しました、ってトコだから」
ひろみ「このあとパパと、おじいちゃんも待ってるんだから早くして」
よしみ「わたしは三日も出ないで苦しんでるってのに、なんでおまえだけ快調なんだよ」
ひろみ「繊維質をとらなきゃダメよ。半紙でも食べてみたら?」
よしみ「そんな部長いたら、部員ぜんぶ逃げるわ!」
ひろみ「ふぅふぅ……」
よしみ「オイオイ、やばそうだな。こっちもそろそろだから、もうチョイ我慢しろ」
ひろみ「いーち、にー、さーん……」
よしみ「数えンなッ! プレッシャーだわ」
ひろみ「なにかを耐えるとき、数を数えてると100まで耐えられそうな気がするのよ……」
よしみ「じゃあ数えろ」
ひろみ「きゅうじゅーいーち、きゅうじゅーに……」
よしみ「飛ばすにしてもホドがあるだろ!」
ひろみ「あうッ……もうダメ、よしみん、かわって……」
よしみ「待て……ほら……いまそこに……キターーーーーーーっ!」
じゃー、ゴボゴボ……
よしみ「ふ〜。地球に生まれてよかったー」
ひろみ「……」
よしみ「待たせたな、入ってイイぞ。……どうした、暗い顔をして?」
ひろみ「よしみンのあと、クサくて入れないよ……学校のトイレまで我慢する……」
よしみ「あのな! 天使みたいなフリしてても、匂うのは一緒だかんな! 双子ナメンな!」
ほのぼのとめはね……
大江「あのゥ、先輩たち……そんな小っちゃな紙になにを書いてるんですか?」
加茂「……ふふん、ゆかりよ。さすが帰国子女だけあって、日本古来の風習に蒙昧なコトよのゥ」
大江「いやあ、そんな」
三輪「ゆかりちゃん、褒めてるのとは違うから」
日野「大江くん、これは七夕というのよ。私たちが書いているのは短冊」
大江「はああ、これがタナバタですか。タンザクって色とりどりでキレイですね」
加茂「これに願いを書いて笹に飾るのだ」
三輪「ゆかりちゃんも書く? まッ、書いた願いが叶うとは限らないけど」
大江「やってみます!」
日野「……どれどれ、なにを書いた?」
大江「世界平和……」
加茂「つまらんコト書くなよ」
大江「じゃあ、洞爺湖サミット成功……」
三輪「地球規模のコトから離れなさい」
大江「女子柔道インターハイ制覇……」
加茂「べつにおまえの祈りなんかなくても、望月なら楽勝だろ」
大江「うう、おっしゃる通り」
日野「あまり深刻に考えずに、自分の簡単な願望程度のコトを書けばいいのよ」
大江「先輩がたはなにを書いたんですか?」
三輪「オトコがほしい」
加茂「オカネがほしい」
日野「オイシイものが食べたい」
大江「ひねりなさすぎですよ……」
加茂「なんだとコラ。笹のさきに吊るされっぞ」
大江「そーだ、いま一番大事なお願いを思いつきました!」
三輪「なになに? ……「少年サンデーよりスピリッツ」? なんなのコレ」
大江「ええ、主人公とヒロインの恋愛面において、青年誌のほうがやっぱり発展する余地があるかなあと」
加茂「なにワケわかんねーコト云ってんだ、てめー」
大江「あー! やぶかないでくださいよ!!」
ほのぼのとめはね……
三輪「どーでもイイけど暑いわね〜」
加茂「クソっ、学校のヤツ、夏休みだからってクーラーとめやがって」
大江「しょうがないですよ、CO2削減ですから」
日野「部室がこんなじゃ、書の練習どころじゃないわね」
望月(運動部はどこも冷房なんかに頼らないンだけどな〜……これだから文化部は)
加茂「あーッもう限界だ! ゆかり、アイス買ってきてアイス!」
大江「あ、ハイ、いつものですか」
加茂「ガリガリくんのソーダ味な!」
三輪「ぎゅぎゅっとパインピーチ」
日野「そんな……毎日オツカイにいかせて悪いじゃないの……じゃあエッセルの超バニラで」
加茂「たまにはアタリのやつを買ってこいよ! ——望月は?」
望月「……」
大江「いらないの? まだ減量中?」
望月「まだってどういう意味よ! 大江くんが買ってくるアイスなんて食べられないっていうの!」
大江(ぐさっ)
加茂「(ニヤニヤ)そうかそうか、望月はいらないのか」
望月「うッ……」
三輪「(ニヤニヤ)ゆかりちゃん、望月さんの分はイイから早くコンビニ行ってきなさい」
大江「あ、ハイ……ホントにいらないの? 望月さん」
望月「待ちなさいよッ、わたしも行くから! 自分の分は自分で買います!」
二年生たち「ふう〜……やっと二人で出かけたか。毎日アイスを買いにいかせたかいがあったな」
望月「大江くん、まだなの!?」
大江「待ってよ、いま会計中だから……望月さんはまたハーゲンダッツ?」
望月「アイスは週に一度って決めてるから、食べるときはイイのを食べるのよ……大江くんは?」
大江「雪見大福」
望月「はあッ? この真夏になに考えてるのよ?」
大江(結希見大福……って通じないかァ、やっぱり)
望月「あっ、入道雲だよ、ホラ」
ほのぼのとめはね……
影山「えっ、望月がオレに相談だって? 珍しいな〜。柔道部はどうした」
望月「柔道部も書道部も、きょうはサボりました……」
影山「深刻なんだな。じゃあ進路相談室いこか。ちょうど先生もおまえに頼みたいコトあったし」
影山「——で?」
望月「えーと……その、つづけるかどうか、悩んでまして……」
影山「書道部を?」
望月「……」
影山「せっかく上達が目に見えて表れてきてるのに、もったいないと思うな」
望月「書道自体は続けたいキモチはあるンですけど、部そのもののほうが、なんというか……」
影山「……人間関係?」
望月「んー」
影山「まあねえ……あの三人組の結束は固すぎだしなぁ。学年が一コだけでも違うってのも大きいか」
望月「いつまでたっても馴染めなくて……」
影山「同じ一年の仲間がいるじゃないか」
望月「大江くんも……最近は、顔を見るだけでイライラしてきちゃって」
影山(それは恋なんじゃないの? と指摘したいトコロだけどやめとこう)
望月「書道甲子園と国体もカブっちゃうし、正直もうモチベーションが……」
影山「望月だけにモチベーションがさがるのはヤバいよな」
望月「……」
影山「あ、イヤっ……。じゃあ、部活動を柔道部一本にしぼるってコトか?」
望月「んん〜。それも考えちゃうんですよね。むこうの顧問の先生がどうも信頼できなくて」
影山「たしかに望月の実力から考えると、公立高校の部活で練習しなくともってカンジだしなぁ」
望月「はああ〜……。センセイ、ほんと私、この先どうしたらイイんでしょうか?」
影山「悩める年頃だよな……。あっ、そうだ! 望月、大きい作品を書く気ないか?」
望月「……センセイまで私を大道芸人あつかいですか。いままでの悩み聞いてました?」
影山「なーに、気分転換と思えばイイよ。ほんとはオレが校長から頼まれてたもんだけど……」
望月「このプリントですか? はあッ、縦18メートルの横2メートル!?」
影山「校舎の屋上からブラ下げるつもりなんだけど、じつは先生、大きいの苦手でな、ハハハ」
望月「祝インターハイ女子柔道優勝……って、本人に書かせないでくださいよッ!」
ほのぼのとめはね……
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