大江「あのゥ、先輩たち……そんな小っちゃな紙になにを書いてるんですか?」
加茂「……ふふん、ゆかりよ。さすが帰国子女だけあって、日本古来の風習に蒙昧なコトよのゥ」
大江「いやあ、そんな」
三輪「ゆかりちゃん、褒めてるのとは違うから」
日野「大江くん、これは七夕というのよ。私たちが書いているのは短冊」
大江「はああ、これがタナバタですか。タンザクって色とりどりでキレイですね」
加茂「これに願いを書いて笹に飾るのだ」
三輪「ゆかりちゃんも書く? まッ、書いた願いが叶うとは限らないけど」
大江「やってみます!」
日野「……どれどれ、なにを書いた?」
大江「世界平和……」
加茂「つまらんコト書くなよ」
大江「じゃあ、洞爺湖サミット成功……」
三輪「地球規模のコトから離れなさい」
大江「女子柔道インターハイ制覇……」
加茂「べつにおまえの祈りなんかなくても、望月なら楽勝だろ」
大江「うう、おっしゃる通り」
日野「あまり深刻に考えずに、自分の簡単な願望程度のコトを書けばいいのよ」
大江「先輩がたはなにを書いたんですか?」
三輪「オトコがほしい」
加茂「オカネがほしい」
日野「オイシイものが食べたい」
大江「ひねりなさすぎですよ……」
加茂「なんだとコラ。笹のさきに吊るされっぞ」
大江「そーだ、いま一番大事なお願いを思いつきました!」
三輪「なになに? ……「少年サンデーよりスピリッツ」? なんなのコレ」
大江「ええ、主人公とヒロインの恋愛面において、青年誌のほうがやっぱり発展する余地があるかなあと」
加茂「なにワケわかんねーコト云ってんだ、てめー」
大江「あー! やぶかないでくださいよ!!」
ほのぼのとめはね……
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