影山「えっ、望月がオレに相談だって? 珍しいな〜。柔道部はどうした」
望月「柔道部も書道部も、きょうはサボりました……」
影山「深刻なんだな。じゃあ進路相談室いこか。ちょうど先生もおまえに頼みたいコトあったし」
影山「——で?」
望月「えーと……その、つづけるかどうか、悩んでまして……」
影山「書道部を?」
望月「……」
影山「せっかく上達が目に見えて表れてきてるのに、もったいないと思うな」
望月「書道自体は続けたいキモチはあるンですけど、部そのもののほうが、なんというか……」
影山「……人間関係?」
望月「んー」
影山「まあねえ……あの三人組の結束は固すぎだしなぁ。学年が一コだけでも違うってのも大きいか」
望月「いつまでたっても馴染めなくて……」
影山「同じ一年の仲間がいるじゃないか」
望月「大江くんも……最近は、顔を見るだけでイライラしてきちゃって」
影山(それは恋なんじゃないの? と指摘したいトコロだけどやめとこう)
望月「書道甲子園と国体もカブっちゃうし、正直もうモチベーションが……」
影山「望月だけにモチベーションがさがるのはヤバいよな」
望月「……」
影山「あ、イヤっ……。じゃあ、部活動を柔道部一本にしぼるってコトか?」
望月「んん〜。それも考えちゃうんですよね。むこうの顧問の先生がどうも信頼できなくて」
影山「たしかに望月の実力から考えると、公立高校の部活で練習しなくともってカンジだしなぁ」
望月「はああ〜……。センセイ、ほんと私、この先どうしたらイイんでしょうか?」
影山「悩める年頃だよな……。あっ、そうだ! 望月、大きい作品を書く気ないか?」
望月「……センセイまで私を大道芸人あつかいですか。いままでの悩み聞いてました?」
影山「なーに、気分転換と思えばイイよ。ほんとはオレが校長から頼まれてたもんだけど……」
望月「このプリントですか? はあッ、縦18メートルの横2メートル!?」
影山「校舎の屋上からブラ下げるつもりなんだけど、じつは先生、大きいの苦手でな、ハハハ」
望月「祝インターハイ女子柔道優勝……って、本人に書かせないでくださいよッ!」
ほのぼのとめはね……
PR
- HOME -