玄野「はい、もしもし?」
レイカ「あ……玄野くん……」
玄野「えッ、レイカ……?」
レイ「あの、いま大丈夫?」
玄野「うッうん。ひとりで部屋にいるから」
レイ「私は撮影の待ち時間中。それでネ……えーと、あの……」
玄野「うん」
レイ「覚えて……る?」
玄野「……なにを?」
レイ「だから……ミッションのあとで云ったコト……池袋の」
玄野「あ……」
レイ「いちおう、生まれて初めてだったンだけど……自分から男のヒトに告ったの」
玄野「あ、ああ、ありがとう……」
レイ「……それだけ?」
玄野「ごッ、ごめん」
レイ「べつにイイけど……ねぇ、玄野くん、私の苗字、気にならない?」
玄野「えッ。レイカの……苗字?」
レイ「うん。レイカって名前自体、芸名なんだよね……」
玄野「そうなんだ。まぁ、気にならないといえばウソになるけど」
レイ「小島……」
玄野「はッ?」
レイ「多恵……私のほんとうの名前は小島多恵よ」
玄野「ちょ……冗談云ってる?」
レイ「びっくりさせてゴメンナサイ。私の正体は小島多恵なの。あなたの恋人……」
玄野「ゴメン、理解できない……」
レイ「玄野くんとともに戦うため、姿を変えて、ガンツによって未来から転送されてきたのよ」
ガチャ! ツーツーツー……
レイカ(ちぇ、やっぱり信じない……べつの放送作家さんに頼むとするか……)
ほのぼのガンツ……
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桜井「あ……もしもし……」
西「はッ? だれだよ」
桜「桜井だけど……ガンツの」
西「なんだ、おまえか……めったに着信なんかないからビビったじゃねーか」
桜「こないだみんなで電話番号とメアド交換したっていうのに、登録してないわけ?」
西「そーゆー馴れ合いをオレが好むと思う?」
桜「……」
西「……ンで、なんだよ、用件は?」
桜「あッ、あの、玄野さんたちが、東京チームみんなで集まる必要があるって」
西「ちッ、めんど……」
桜「カタストロフィのコトを話しあいたいから、西クンを呼べって」
西「勘弁しろよ。てめーらで調べろっての」
桜「その方法がわからないから、キミに頼んでンじゃないか」
西「だから核戦争だって云ってンだろ。戦争だよ、センソー」
桜「マジなのか」
西「人類の99パーセントが死に絶え、世界の秩序とモラルが崩壊するわけ」
桜「……」
西「力をもつ者だけが生き残る世界……。わかる? 情け容赦無用の弱肉強食」
桜「知るかよ」
西「和泉のヤツがやらかした新宿大虐殺なんか、ゲームのイージーモードみたいなもんだしィ」
桜「おまえな……」
西「百点で仲間を甦らせたり、ミッション中に自分が楯になるような甘ちゃんには分らんだろうけどね」
桜「……脳と心臓。どっちをつぶされたいか選べ」
西「はあッ? いきなりなに云ってンのおまえ」
桜「師匠を悪く云ったコト謝れ、いますぐ! さもないとその場で一瞬で死ぬコトになる」
西「キモいンだよ、中二……」
桜「本気だぞ。距離なんか関係ない。携帯とシンクロしておまえの体内をスキャンしてるンだからな」
西「わかったわかった。じゃあオレは邪奇眼だ。エターナルフォースブリザードぉぉ!」
ぶちぶちッ……!
ほのぼのガンツ……
西「はッ? だれだよ」
桜「桜井だけど……ガンツの」
西「なんだ、おまえか……めったに着信なんかないからビビったじゃねーか」
桜「こないだみんなで電話番号とメアド交換したっていうのに、登録してないわけ?」
西「そーゆー馴れ合いをオレが好むと思う?」
桜「……」
西「……ンで、なんだよ、用件は?」
桜「あッ、あの、玄野さんたちが、東京チームみんなで集まる必要があるって」
西「ちッ、めんど……」
桜「カタストロフィのコトを話しあいたいから、西クンを呼べって」
西「勘弁しろよ。てめーらで調べろっての」
桜「その方法がわからないから、キミに頼んでンじゃないか」
西「だから核戦争だって云ってンだろ。戦争だよ、センソー」
桜「マジなのか」
西「人類の99パーセントが死に絶え、世界の秩序とモラルが崩壊するわけ」
桜「……」
西「力をもつ者だけが生き残る世界……。わかる? 情け容赦無用の弱肉強食」
桜「知るかよ」
西「和泉のヤツがやらかした新宿大虐殺なんか、ゲームのイージーモードみたいなもんだしィ」
桜「おまえな……」
西「百点で仲間を甦らせたり、ミッション中に自分が楯になるような甘ちゃんには分らんだろうけどね」
桜「……脳と心臓。どっちをつぶされたいか選べ」
西「はあッ? いきなりなに云ってンのおまえ」
桜「師匠を悪く云ったコト謝れ、いますぐ! さもないとその場で一瞬で死ぬコトになる」
西「キモいンだよ、中二……」
桜「本気だぞ。距離なんか関係ない。携帯とシンクロしておまえの体内をスキャンしてるンだからな」
西「わかったわかった。じゃあオレは邪奇眼だ。エターナルフォースブリザードぉぉ!」
ぶちぶちッ……!
ほのぼのガンツ……
西「ハイハイ、玄野の部屋に4時集合ね……わかったツーの、ちゃんと行くからサ……じゃーな」
母「丈一郎ちゃん、お友達から?」
西「うん……あッ、ごめんね、病室で携帯つかっちゃマズかった?」
母「大丈夫よ。ここは普通の病院じゃないし……」
西「……」
母「でもよかったわ。丈一郎ちゃんにもお友達ができて」
西「まあ、友達ッつーか、後輩みたいなもんだけど……」
母「一年前には学校にも行かず、お部屋に閉じこもってばかりだったのにね」
西「……」
母「しかもそのあと半年間も家出しちゃって……ママ、どれだけ丈一郎ちゃんを捜したことか」
西「心配かけてゴメン、ママ」
母「お願いよ、もう二度と遠くに行かないと云って」
西「どこにも行かないよ、誓うよ、ママ。だからお願い……ママも早く…………治って」
母「うふふ。丈一郎ちゃんが面会に来てくれたから今日は調子イイの。お薬飲まなくても平気だし」
西「ダメだよ、ちゃんと飲んで!」
母「丈一郎ちゃんの存在が信じられる限り、ママ大丈夫なのよ」
西「……」
母「丈一郎ちゃんがいない!ってことになると、ちょっとおかしくなっちゃうンだけどね……」
西「こんな刑務所みたいなとこ早くおさらばして、一緒に暮らそう……ぼくがママを守るから……」
母「あれ、丈一郎ちゃん、もしかして泣いてる?」
西「ばっか! これは違うよ。中二にもなって、泣くわけねーじゃんッ」
玄野の部屋……
玄野「おい、西……カタストロフィのときは当然東京チームを引っぱってくれるんだよな?」
西「冗談、なんでおめーらみたいなカスと一緒に行動しなきゃなんねーの?」
加藤「……正気か」
桜井「なんてヤツだ……」
西「こっちはこっちでデートの約束があるンだっつーの。てめえのケツはてめえで拭け、な?」
ほのぼのガンツ……
玄野の部屋でミーティングする東京メンバーたち。
レイカ「……えーと、いままでの話しあいをまとめると?」
玄野「うん、じゃあ、なによりもカタストロフィに備えるという意味で……」
鈴木「武器の強化が最優先ってコトだね。異議なし」
加藤「もちろん、つぎのミッションがあるならば、の話だけど」
ニシ「はッ、おめーらもたまにはマトモな結論に達することがあるンだな」
稲葉「てめえがいまンとこ、一番100点に近いんだ。しっかり稼げよ中坊」
ニシ「おめーに云われたかねえっての」
桜井「……」
鈴木「あれッ、どうした桜井くん? ずいぶん険しい顔をしてるじゃないか」
桜井「みんな薄情だ……なんで師匠のことを忘れられるんだよ……」
鈴木「んっ、小声でなんて?」
タケシ「あーッ、みんな、見て見て! パソコンがヘンだよ!」
机のうえで、玄野のノートパソコンがひとりでに開いていった。
驚くみんなの目のまえで、スリープが解除され、エディタが起動した。
見えざる手によってキーボードが打たれていく。
(桜井……そして玄野たち……これが読めているか?
オレだ、坂田だ……いま『上』にいる……透明な船に乗って、星の海を漂っている。
培養液のようなものに浸けられて動けないけど、意識を送ることはできる……隣には和泉もいる。
ここは苦しい……冷たくて時間の停まった世界だ……ここから出たくてたまらない……
お願いだ……つぎのミッションでだれか100点をとったら……どうかおれを……)
桜井「うッわ! 師匠だ、坂田師匠からのメッセージだよ、みんな!」
一同「……」
桜井「師匠が『上』の世界から助けを求めてンだよッ! 武器なんか後回しにして……」
レイカ「えーとね、桜井くん……まず鼻血を拭いたほうがイイと思うんだけど……」
ほのぼのガンツ……
栗山「ねえ……起きてる?」
氷川「ンだよ……」
栗山「喉、乾くンだけど」
氷川「ジュースでも買ってこいよ」
栗山「はぁ? 吸血鬼の喉をうるおすのに、ジュースって」
氷川「……」
栗山「ちょっと……どこ触ってンのよ」
氷川「イイだろ……」
栗山「大阪から帰ってきてから、何回ヤレば気がすむの」
氷川「イイから後ろを向けって」
栗山「やめてよもう……まったく私ら、いつまでこのホテルに引きこもってるつもりなワケ?」
氷川「しかたねぇだろ、アンチUV錠が切れちまったンだから」
栗山「夜のうちにクラブに帰って、もらってくればすむ話じゃない」
氷川「どのツラさげて帰るって? ハンターどもを退治するって揚々と出かけたってのに……」
栗山「ミイラとりがミイラになってたら世話ないわね。ウケる」
氷川「おまけに、一連のハンター狩りでおおぜいの戦闘員を失ったからなぁ」
栗山「ボスはさぞ、ご立腹のことでしょうね」
氷川「笑い事じゃねぇっての……あの人を怒らせたら、ぬらりひょんの百倍怖いからな」
栗山「それはそうと、カタストロフィの情報、ボスに伝えなくてイイの?」
氷川「……(ゆっくりとタバコをふかす)」
栗山「伝える気ゼロなんでしょ。それでこんな場所で時間を稼いでるンだ?」
氷川「さあね?」
栗山「ハンターたちが語っていた情報がデタラメであるならば、そもそも伝える必要はないし……」
氷川「……」
栗山「デタラメでないのなら、そのカタストロフィとやらにボスがどう対処するか見るのも悪くない」
氷川「ふふん……」
栗山「なんなら、ボスに万が一のコトがあった場合、自分がボスの後釜に座ってもよい……違う?」
氷川「さっさとおまえの口を封じといたほうがイイみたいだな……」
栗山「へえ? どうやって?」
氷川は栗山を抱き寄せると、荒々しく唇を奪った……
ほのぼのガンツ……
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