ガンツ(——西クン 101点 ステルスに頼りすぎ——)
桜井「おおッ、すっげ!」
鈴木「加藤くんにつづいて二人目の100点か……」
稲葉「やるじゃン厨房。やっぱり妖狐にとどめをさしたのは、おまえだったのか」
ニシ「フン……もうすこしでぬらりを倒せてたら、計算通りに一気に200点だったけどな……」
氷川「……ぷっ、くっくっく……」
一同「……」
レイ「西くん、100点メニューはどう使うつもりなの?」
ニシ「2番といいたいところだが……Zガンをいまさら手に入れたところで意味がない」
レイ「そうね……大阪チームのをいくつか拾ってこれたしね」
ニシ「それにただ強いだけの武器じゃ、もはやボス級には通用しない段階にきている」
鈴木「それは……カタストロフィというのが近いって意味かい?」
ニシ「……加藤。おまえは100点をどう使うつもりだ?」
加藤「おれは……やっぱりケイちゃんを……」
ニシ「まあ、アタマカズを揃えるのが先決だろうな。足手まといなら要らねェが……」
稲葉「……おいッ、なんでオレのほうを見るンだよ!」
加藤「おまえはだれを必要と思ってるンだ、西?」
鈴木「まさか和泉くんかい?」
桜井「頼む、坂田師匠のことを……」
ニシ「坂田は復活を望んでいなかっただろ。それにおれは和泉がキライなんだ、もとッからな……」
レイ「じゃあ、だれを?」
ジジジジ……
加藤「岸本ッ!?」
岸本「加藤くんッ、うれしい! また会えた!」
ニシ「……いいか、よく聞け。加藤には新しいオンナができた。そして、おまえを甦らしたのはオレだ」
岸本「加藤くん! 加藤くんくん!」
ニシ「おまえが抱きつくべきは、おれなンだぞ! 加藤も鼻の下を伸ばしてんなッ!」
ほのぼのガンツ……
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ガンツ部屋を出た西くん。
(ちッ……)
(なんで誰も追いかけてこないンだよ……)
(せっかく意味深なヒントをばらまいてやったのに)
(桜井あたりが『西くん、きみの家でもっと教えてほしいな!』ってならないか普通)
(レイカでてこい、でてこい、でてこい……)
(この際、稲葉でも鈴木でもイイや)
(……ちッ、こねェ……)
ガチャ。
パンダ「……」
ほのぼのガンツ……
坂田「おうッ……時間かかったな」
桜井「……」
坂田「どうした、放心しきった顔をして」
桜井「いや、だって……」
坂田「まあ無理ないか。はじめてのときは、みんなそんなだ。ガンツのミッションと一緒」
桜井「そうなんですか?」
坂田「おれのほうは最高だったよ。久しぶりに三回戦もやっちゃった」
桜井「マジっすか」
坂田「即尺で一回と、マットで一回、ベッドで一回……いやぁイイ子だった」
桜井「……」
坂田「レイカといい勝負だったね、あの子は。おっぱいの張りとか、ほんとタマラン」
桜井「うらやましいッス……」
坂田「そっちはどうだったよ。おまえのぐらいの歳なら五回は楽勝じゃね?」
桜井「いや、それが、写真とぜんぜん違うひとが出てきて……」
坂田「あらら」
桜井「おまけに体重が三桁はありそうで……」
坂田「あちゃー、やっちまったな」
桜井「トリケラさんが出てきたかと思ったンですから」
坂田「わっはっは」
桜井「笑い事じゃないッス。ぼく、目をつぶって、ずっととんこつのコトを考えてました……」
坂田「ああ、それでムリやり立たせて……」
桜井「なんとか一回だけ……こんなコトなら、やっぱりやめとけばよかった……」
坂田「おまえが、後生だから連れてってくださいって云ったンだろうが」
桜井「それは……だってやっぱり、いつミッションで死ぬかわからないし……」
坂田「だから、とんこつにお願いすれば? って忠告したのに」
桜井「でも、えー童貞なの!?ってバカにされたらイヤだし」
坂田「考えすぎ。いつガンツ死するかわからないからこそ、ホントに好きな女とヤっとくべきだろ」
桜井「肝に銘じておきます」
坂田「おまえはね、なんでも生真面目に考えすぎなの。人生もっと気楽にぱーっと楽しまなきゃ!」
桜井「長生きしますよ、師匠……」
ほのぼのガンツ……
栗山「ねえ、どうするの……」
氷川「……」
栗山「このままおとなしく帰る気?」
氷川「……」
栗山「ハンターたち、みんな玄野クンの兄さんに気をとられて、油断しきってるわよ」
氷川「わかってる」
栗山「解散してバラバラになられたら面倒でしょ。殺るンなら、いまのうち一気に……」
氷川「うるさいな、すこし黙ってろよ」
栗山「わたしの腕も治ったし、もう足を引っぱらないわよ」
氷川「気づいてないのかよ。パンダがこっちをジッと見てる……」
栗山「……」
氷川「1センチでも刀を伸ばしたら、その瞬間に殺られるぞ」
栗山(ぞッ……)
氷川「まるで親の仇でも見つけたみたいな目をしている……」
栗山「なにか恨みを買うようなコトでもしたの」
氷川「身に覚えはないケド……」
栗山「……あ、ドアが開いた。みんな解散するみたいよ」
氷川「とりあえずクラブへ帰ろうか、今夜のとこは……」
栗山「手ぶらで? 仲間を何人も殺られてるッていうのに」
氷川「仕方ないだろ。あんなおっかないヤツに睨まれてンだから!」
栗山「ねえ……ついてくるわよ……」
氷川「わかってるよ……思ってたより足が速いな……ふうッ、ふうッ……」
栗山「クラブの場所を知られたらヤバくない? 二手に別れて逃げましょう」
氷川「まッ、待てって。あいつの狙いは明らかにオレだろ! はあッはあッ」
栗山「運がよかったらクラブで落ち合いましょ! じゃあね」
氷川「ズルいぞ、ひとりだけ……!」
氷川(はあッ、はあッ……ヤバい、あと10メートルもない……)
氷川(ドクン、ドクン)
氷川(ジーザス……っ!!)
ほのぼのガンツ……
小島「恥ずかしい人……」
玄野「……」
小島「ケイちゃん、偉いよ。よくこらえたよね」
玄野「べつに……」
小島「ふつう我慢できないよ。云い返すとか、殴り返すとかしちゃうよ」
玄野「ホントは殴ってやろうと思ったンだけど……多恵ちゃんのことヒドく云われたとき」
小島「イーの、イーの、ブスって云われるの馴れているから」
玄野「多恵ちゃんはブスなんかじゃない……」
小島「でも我慢したンだよね、ケイちゃん。相手の人をケガさせちゃ悪いから」
玄野「……」
小島「大丈夫。あたし分ってるから。ケイちゃんがホントは強いンだってコト」
玄野「そんな……」
小島「そのうえで、まわりにやさしく接しているって」
玄野「そうかな……」
小島「ケイちゃんの、そーゆートコがわたし大好き……」
玄野「……」
池上「あッ、玄野くん」
玄野「おうッ、昨日はサンキューな」
池上「あんな感じでよかった?」
玄野「上出来、上出来。おかげで、ますます多恵ちゃんのハートをわしづかみだよ」
池上「そいつァよかった……いじめっこと街で遭遇なんて、ちょっと古くさい設定かなって心配したけど」
玄野「そんぐらいが、演技に迫真性が生じて丁度イイんだって」
池上「えーと、つぎはお台場だっけ?」
玄野「レイカ相手だからって、緊張してトチんじゃねーぞ」
池上「捨て台詞は……『胸おっきすぎて頭カラッポかよ!』だよね。わかった、がんばるよ!」
ほのぼのガンツ……
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