西「ハイハイ、玄野の部屋に4時集合ね……わかったツーの、ちゃんと行くからサ……じゃーな」
母「丈一郎ちゃん、お友達から?」
西「うん……あッ、ごめんね、病室で携帯つかっちゃマズかった?」
母「大丈夫よ。ここは普通の病院じゃないし……」
西「……」
母「でもよかったわ。丈一郎ちゃんにもお友達ができて」
西「まあ、友達ッつーか、後輩みたいなもんだけど……」
母「一年前には学校にも行かず、お部屋に閉じこもってばかりだったのにね」
西「……」
母「しかもそのあと半年間も家出しちゃって……ママ、どれだけ丈一郎ちゃんを捜したことか」
西「心配かけてゴメン、ママ」
母「お願いよ、もう二度と遠くに行かないと云って」
西「どこにも行かないよ、誓うよ、ママ。だからお願い……ママも早く…………治って」
母「うふふ。丈一郎ちゃんが面会に来てくれたから今日は調子イイの。お薬飲まなくても平気だし」
西「ダメだよ、ちゃんと飲んで!」
母「丈一郎ちゃんの存在が信じられる限り、ママ大丈夫なのよ」
西「……」
母「丈一郎ちゃんがいない!ってことになると、ちょっとおかしくなっちゃうンだけどね……」
西「こんな刑務所みたいなとこ早くおさらばして、一緒に暮らそう……ぼくがママを守るから……」
母「あれ、丈一郎ちゃん、もしかして泣いてる?」
西「ばっか! これは違うよ。中二にもなって、泣くわけねーじゃんッ」
玄野の部屋……
玄野「おい、西……カタストロフィのときは当然東京チームを引っぱってくれるんだよな?」
西「冗談、なんでおめーらみたいなカスと一緒に行動しなきゃなんねーの?」
加藤「……正気か」
桜井「なんてヤツだ……」
西「こっちはこっちでデートの約束があるンだっつーの。てめえのケツはてめえで拭け、な?」
ほのぼのガンツ……
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玄野の部屋でミーティングする東京メンバーたち。
レイカ「……えーと、いままでの話しあいをまとめると?」
玄野「うん、じゃあ、なによりもカタストロフィに備えるという意味で……」
鈴木「武器の強化が最優先ってコトだね。異議なし」
加藤「もちろん、つぎのミッションがあるならば、の話だけど」
ニシ「はッ、おめーらもたまにはマトモな結論に達することがあるンだな」
稲葉「てめえがいまンとこ、一番100点に近いんだ。しっかり稼げよ中坊」
ニシ「おめーに云われたかねえっての」
桜井「……」
鈴木「あれッ、どうした桜井くん? ずいぶん険しい顔をしてるじゃないか」
桜井「みんな薄情だ……なんで師匠のことを忘れられるんだよ……」
鈴木「んっ、小声でなんて?」
タケシ「あーッ、みんな、見て見て! パソコンがヘンだよ!」
机のうえで、玄野のノートパソコンがひとりでに開いていった。
驚くみんなの目のまえで、スリープが解除され、エディタが起動した。
見えざる手によってキーボードが打たれていく。
(桜井……そして玄野たち……これが読めているか?
オレだ、坂田だ……いま『上』にいる……透明な船に乗って、星の海を漂っている。
培養液のようなものに浸けられて動けないけど、意識を送ることはできる……隣には和泉もいる。
ここは苦しい……冷たくて時間の停まった世界だ……ここから出たくてたまらない……
お願いだ……つぎのミッションでだれか100点をとったら……どうかおれを……)
桜井「うッわ! 師匠だ、坂田師匠からのメッセージだよ、みんな!」
一同「……」
桜井「師匠が『上』の世界から助けを求めてンだよッ! 武器なんか後回しにして……」
レイカ「えーとね、桜井くん……まず鼻血を拭いたほうがイイと思うんだけど……」
ほのぼのガンツ……
セイラ「どうかなさって?」
ミライ「……え」
セイラ「フォークをもったまま、ぼーっとしちゃって」
ミライ「あ……ああ」
セイラ「ぜんぜんランチが進んでないじゃない」
ミライ「最近、食欲がなくて……よかったら私の分も召し上がる?」
セイラ「けっこうよ」
ミライ「はぁ〜……」
セイラ「悩み多きため息、って様子ね」
ミライ「わかる?」
セイラ「わかるわよ。いつだって、わがままにつきあわされるのは男でなくて、女のほうなのよね」
ミライ「そうそう!」
セイラ「ブライトも、なにを考えているのだか……」
ミライ「ブライト?」
セイラ「いつまであなたに個室を与えず、ブリッジで毛布一枚で寝かすつもりかしら?」
ミライ「あ……ああ、それね……」
セイラ「あんなんじゃ寝た気になれなくって? 疲れもとれないでしょうし」
ミライ「まあ、そうだけれど……」
セイラ「もっと強硬にプライバシーを要求するべきよ。あの艦長、鈍感きわまりないから」
ミライ「ええっと、セイラ、私が悩んでいるのは寝不足のせいじゃなくて……」
セイラ「あら、失礼……そうよね、女ですものね、私たち……危険な男に魅力を感じてしまうのは」
ミライ「そうッそう!」
セイラ「あなたまでシャアが気になってしかたないとは……」
ミライ「シャア?」
セイラ「最近、妙に勘が鋭くて……あの男がWBに近づいてくるのがたまにわかるの」
ミライ「んー、その感覚はなんとなく共感できるとはいうものの……」
セイラ「たしかに見目は良いものね……ジオンとはいえ」
ミライ「素顔を見たことがあって?」
セイラ「あッ、イヤ……」
ほのぼのオリジン……
栗山「ねえ……起きてる?」
氷川「ンだよ……」
栗山「喉、乾くンだけど」
氷川「ジュースでも買ってこいよ」
栗山「はぁ? 吸血鬼の喉をうるおすのに、ジュースって」
氷川「……」
栗山「ちょっと……どこ触ってンのよ」
氷川「イイだろ……」
栗山「大阪から帰ってきてから、何回ヤレば気がすむの」
氷川「イイから後ろを向けって」
栗山「やめてよもう……まったく私ら、いつまでこのホテルに引きこもってるつもりなワケ?」
氷川「しかたねぇだろ、アンチUV錠が切れちまったンだから」
栗山「夜のうちにクラブに帰って、もらってくればすむ話じゃない」
氷川「どのツラさげて帰るって? ハンターどもを退治するって揚々と出かけたってのに……」
栗山「ミイラとりがミイラになってたら世話ないわね。ウケる」
氷川「おまけに、一連のハンター狩りでおおぜいの戦闘員を失ったからなぁ」
栗山「ボスはさぞ、ご立腹のことでしょうね」
氷川「笑い事じゃねぇっての……あの人を怒らせたら、ぬらりひょんの百倍怖いからな」
栗山「それはそうと、カタストロフィの情報、ボスに伝えなくてイイの?」
氷川「……(ゆっくりとタバコをふかす)」
栗山「伝える気ゼロなんでしょ。それでこんな場所で時間を稼いでるンだ?」
氷川「さあね?」
栗山「ハンターたちが語っていた情報がデタラメであるならば、そもそも伝える必要はないし……」
氷川「……」
栗山「デタラメでないのなら、そのカタストロフィとやらにボスがどう対処するか見るのも悪くない」
氷川「ふふん……」
栗山「なんなら、ボスに万が一のコトがあった場合、自分がボスの後釜に座ってもよい……違う?」
氷川「さっさとおまえの口を封じといたほうがイイみたいだな……」
栗山「へえ? どうやって?」
氷川は栗山を抱き寄せると、荒々しく唇を奪った……
ほのぼのガンツ……
ある日の部室……
加茂「なあ……望月よ」
望月「なんですか?」
加茂「ふと思ったンだが、なんでおまえ柔道なんて始めたんだ?」
三輪「あ、アタシもひそかに気になってた」
日野「そういえば女の子にしては珍しいわよね」
大江「……(臨書するフリしながら聞き耳をたてている)」
望月「えー、きっかけですか? いや、たいしたコトはないっスけど……」
加茂「もったいぶるなよ」
三輪「道場にカッコいい男の子がいたとか?」
日野「もしかして、いつぞやのラブレターの差出し人ってその人だったりして!?」
大江「部長さん、目をキラキラさせすぎです……」
望月「そんなんと違いますよー。きっかけは、あるマンガです」
加茂「マンガ……柔道部物語か?」
望月「あんな汗臭そうな男子柔道部に憧れるワケないじゃないですか……」
三輪「あ、わかった。YAWARA!じゃない? 女子柔道といえば」
望月「ブブー。私は制服で人を投げ飛ばして、下着を見せるようなコトはしません」
日野「女子柔道なら、そばっかすっていうのもあったよね。週刊チャンピオンで」
望月「ソバ屋の娘が主人公のやつですよね……わたしソバ屋の娘ってキライなんですよ」
大江「えーと、ぷりんせすARMYだと思うんだけど……少女コミックの」
加茂「なんで男のおまえがそんなタイトルを知ってるンだよ」
望月「というか、だれも花マル伝をあげないのは何ゆえですか……ヤンサンなのに……」
三輪「えっ、花マル伝なの? きっかけ」
望月「いや、ぶっちゃけ、ちゃいますけど……」
日野「柔道一直線? コータローまかりとおる? 柔道愚連隊?」
加茂「ひかるチャチャチャ? ドカベン? いなかっぺ大将?」
三輪「そういえばスラムダンクの最初のほうでも柔道やってなかったっけ?」
望月「あのー、みなさん、そこまでマイナーなとこ挙げられるのに、なぜ肝心な一作を……」
ほのぼのとめはね……
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