店員「いらしゃいませ〜……あ、ターパサのみなさん、毎度どうも」
トン「よっ、チェンさん久しぶり! 席あいてる?」
店員「4名さま窓際のお席へご案内〜。きょうは鶏がイイの入ってるアルヨ」
ナン「朝からずっと鍛錬だったから、おなかペコペコだよ!」
店員「みんな決まった?」
シャ「おれ麻婆定食と水餃子」
ペー「チンジャオロース定食ご飯大盛り」
トン「ラーメンとチャーハンセット、トッピングでチャーシューと味玉」
ナン「冷やしつけめんとギョウザと杏仁豆腐」
店員「なんだ、だれも鶏を食べないアルか」
シャ「ああ……じゃあ水餃子をとりけしてバンバンジーください」
店員「わかたアル。少々お待ちを……」
ターパサたちは顔を見合わせた「よし、みんな、そっと席をチェンジだ……」
店員「お待たせしましたアル〜。まずはチンジャオロース大盛りライスがそちら」
ペー「……」
店員「つけめんぎょうざがアナタで、チャーハンセットがそっちね」
ナン「……あ、ハイ」
トン「トッピングもちゃんと揃ってる」
店員「最後のひとがマーボーとバンバンジーで、オーケーね? ごゆくりドゾー」
シャ「……」
トン「やっぱりすごいな、チェンさんは……」
ナン「注文を全部暗記したうえで、われわれ四ツ子の顔を完璧に区別するとは……」
シャ「若サマでさえ曖昧なのになあ……」
ペー「とりあえず食うか、さめないうちに」
トン「うむ」
シャ「この鶏、うまい……」
この店員が、のちのラクシャスであることを、 未だ修行中の四ツ子たちは知る由もなかった……
ほのぼのベルセルク……
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ジリリリン……
加茂「あ、もしもし、日野さんのお宅ですか? 加茂と申しますが……」
日野「あっ、キョウ……加茂ちゃん? あたしひろみ」
加茂「おい! いま杏子って呼び捨てにしようとしただろ? てめぇ、よしみだな」
日野「ちッ……」
加茂「ちッじゃねーよ、早くひろみのほうに代わってくれよ」
日野「お待たせしました……」
加茂「すました声出してんじゃねえ。いくらなんでも早すぎてバレバレなんだよ」
日野「ちッ……」
日野「あ、もしもし、加茂ちゃーん?」
加茂「あっ、今度こそH・日野ちゃん? 携帯いくらかけても繋がんないんだけど」
日野「ぷぷっ……」
加茂「こっ、このヤロー! おまえ日野ちゃんの携帯をどっかに隠したな」
日野「くくく……鈴里の連絡網をズタズタにしてやった……」
加茂「いいかげんしつこいンだよ! ひろみに代われちゅーとんじゃ」
日野「残念だったな。ひろみなら外出中だ」
加茂「最初っから云え! アホカスボケ死ね!」
ガチャン! ツーツー……
日野「ヒヒ、ざまみろ杏子のヤツめ。……おっと、またかかってきた……ハイもしもし?」
大江「もしもし、大江といいますが、部ちょ……日野ひろみさんいらっしゃいますか?」
日野「なんだ、おまえか一年坊主……」
日野「またかかってきた……ハイもしもし、日野でーす」
勅使「あ、勅使河原と申しますが、ひろみさまはご在宅ですか?」
日野「おう、テッシー! 私だよ、よしみだよ」
勅使「あ、部長……。あのボク、お姉さまのほうに用件があるんですけど……」
日野「……」
日野(なんでひろみばっかり……なぜ私の携帯にはぜんぜん着信がない……)
ほのぼのとめはね……
大江「いらっしゃいませ〜……って、ええっ!?」
望月「……」
大江「も、望月さん……柔道着姿で……どうしたの」
望月「客なんだけど……」
大江「あ……何名さまですか……」
望月(無言で中指を一本たてる)
大江「い、一名さま、こちらの席へどうぞ……」
大江「お茶をどうぞ……」
望月「宮田の麻衣ちゃんサンはいないの?」
大江「あ、いま休憩中」
望月「ふーん……ここで二人仲良く働いてるわけだ」
大江「仲良くなんて……ご注文はお決まりですか?」
望月「ミニきつね」
大江「それだけ?」
望月「減量中でイライラしてるから、あんまり話しかけないほうがイイよ」
大江「お待たせしました……」
望月「ちょっと! 私ミニきつねって云ったんだけど!」
大江「ああ……動揺して大盛たぬきって伝えちゃったんだ……すぐ作りなおします」
望月「もういいよコレで! 時間ないから、30分しか昼休み」
大江「え、学校から走って来たの? 3キロはあるのに……」
望月「ほっといてよ! 食べるからアッチいって!」
望月「ごちそうさま!」
大江(早いな……)「650円になります」
望月「えーと……ちくしょー、500円しかないや!」
大江「あ、じゃあ、ボクがとりあえず立て替えとくよ」
望月「てゆーか、そっちが注文間違ったのになんで高い金額払わすのよ!」
大江「ご、ごめん……」
望月「こんな店、明日も来るからな!」
大江(そこは、二度と来ないからな!というべきトコだと思うんだけど……)
ほのぼのとめはね……
玄野「ここにいるヤンキー以外のヤツ、帰っていいぞ」
不良「なんだおめえ……イイ度胸してんじゃねえか」
不良「むかつく目つきしてんな」
不良「おらッ、50万もってこい!」
どかっ! バキ! ごすっ……
玄野「ぜって〜払わねぇ……」
不良「はあ、はあ……なんだコイツ……」
不良「ぜんぜん効いてねぇみたいだぞ」
不良「おまえらも手伝え、袋だフクロ」
がつっ! どすっ! ゴツ! ぼか! ズゴゴゴ……
きゅぅぅぅん……ドロっ
玄野「すっスイマセン! ソッコーで50万円もってきますんで! いますぐに!」
ほのぼのガンツ……
店主「大江くん、一週間ありがとな。コレ多めに包んどいたから……」
大江「こんなに!? ありがとうございます!」
店主「それだけあれば十分だろ。で、どこで済ませるんだ。吉原? 堀之内?」
大江「ちっ、違いますよ!」
麻衣「大江くん、あさって空いてる? よかったら東京のほう遊びいかない?」
大江「あ、ごめん、あさっては一日中予定が……」
麻衣(ちぇ、バイト代で甘いモノ奢ってもらおうと思ったのに……大江くんて生意気じゃね?)
加茂「おう、ゆかり、久しぶり」
大江「ア、先輩。これまたイイ色にこんがり焼けちゃって」
加茂「ひとを北京ダックみたいに云うなよ。ところで望月から聞いたぞ。バイトしたんだってな」
大江「金がからむ情報には、さすが敏感ですね……なんでニジリ寄ってくるんです?」
加茂「おいおい、そんなに身構えるなよ。とって食うわけじゃなし」
大江「うそだ、とって食うに決まってるんだ!」
加茂「おおい待て! ……なんつー逃げ足の早さだよ。あんにゃろう夏休みに一皮むけたな」
義之「おかえり、我が息子よ」
大江「アレ、父さん、市場の仕事じゃなかったの?」
義之「ハハハ、マグロを勝手に解体してトロ食ってたら、クビになっちゃった」
大江「ああ、そうなの……おばあちゃんは?」
義之「裏にいるよ。ところでな、最愛なる我が息子よ、父さん今月ピンチでな……」
大江「おばあちゃーん……」
義之(とぼけて逃げるのが上手くなったな……母さんに似てきたよ……)
祖母「ああ、美味しい。とても美味しいよ、ゆかり」
大江「そりゃ美味しいでしょ。最高級の松坂牛だもん」
祖母「この歳になって、孫に焼肉をご馳走になるなんてねぇ……長生きしててよかったよ」
大江「なに云ってるの。高校に行かせてもらって、ボクこそどんなに感謝していることか。
……おばあちゃん、だいだいだい大好きだよ!」
ほのぼのとめはね……
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