店主「大江くん、一週間ありがとな。コレ多めに包んどいたから……」
大江「こんなに!? ありがとうございます!」
店主「それだけあれば十分だろ。で、どこで済ませるんだ。吉原? 堀之内?」
大江「ちっ、違いますよ!」
麻衣「大江くん、あさって空いてる? よかったら東京のほう遊びいかない?」
大江「あ、ごめん、あさっては一日中予定が……」
麻衣(ちぇ、バイト代で甘いモノ奢ってもらおうと思ったのに……大江くんて生意気じゃね?)
加茂「おう、ゆかり、久しぶり」
大江「ア、先輩。これまたイイ色にこんがり焼けちゃって」
加茂「ひとを北京ダックみたいに云うなよ。ところで望月から聞いたぞ。バイトしたんだってな」
大江「金がからむ情報には、さすが敏感ですね……なんでニジリ寄ってくるんです?」
加茂「おいおい、そんなに身構えるなよ。とって食うわけじゃなし」
大江「うそだ、とって食うに決まってるんだ!」
加茂「おおい待て! ……なんつー逃げ足の早さだよ。あんにゃろう夏休みに一皮むけたな」
義之「おかえり、我が息子よ」
大江「アレ、父さん、市場の仕事じゃなかったの?」
義之「ハハハ、マグロを勝手に解体してトロ食ってたら、クビになっちゃった」
大江「ああ、そうなの……おばあちゃんは?」
義之「裏にいるよ。ところでな、最愛なる我が息子よ、父さん今月ピンチでな……」
大江「おばあちゃーん……」
義之(とぼけて逃げるのが上手くなったな……母さんに似てきたよ……)
祖母「ああ、美味しい。とても美味しいよ、ゆかり」
大江「そりゃ美味しいでしょ。最高級の松坂牛だもん」
祖母「この歳になって、孫に焼肉をご馳走になるなんてねぇ……長生きしててよかったよ」
大江「なに云ってるの。高校に行かせてもらって、ボクこそどんなに感謝していることか。
……おばあちゃん、だいだいだい大好きだよ!」
ほのぼのとめはね……
PR
- HOME -