ファ「セルピコ、まだ起きてるのか?……」
セル「おや。眠れないのですか、ファルネーゼさま」
ファ「たいへんそうだな、代わろうか?」
セル「いえ。ファルネーゼさまに火の番をさせるワケにはいきませんよ」
ファ「……」
セル「……思えば、ガッツさんたちにくっついて、ずいぶん長い旅になりましたよね」
ファ「そうだな。遠くへ来たもんだ……」
セル「アルビオンでのことがずっと昔のように思えます」
ファ「聖鉄鎖騎士団のころより、いまの旅の暮らしのほうが好きだ……」
セル「……」
ファ「もう二度と戻れない。戻らない。己を偽り、存在しない神を崇め、人を焼き殺す仕事など……」
セル「それが……イイと思います……」
ファ「どう思う、セルピコ? わたしの罪はいつか消えるのだろうか?」
セル「罪だなんて」
ファ「それともこの罪の意識にずっと魂をすり減らしながら、醜く生きていくのが贖罪なのか?」
セル「どんな身の処しかたを選ぼうとも、ボクはファルネーゼさまについてきますよ」
ファ「答えになってない! おまえはいつもはぐらかす!」
セル「……じゃあ、ガッツさんに尋ねてみたらいいじゃないですかッ」
ファ「……」
セル「あなたがすがりたいのはボクではなくて、ガッツさんでしょ。違いますか?」
ファ「セルピコ……」
セル「云わせてもらえば、あなたの本質は昔から変わってない。神をガッツさんにスリ変えただけだ!」
ファ「……やめてくれセルピコ……すまなかった……」
セル「……いえ、ボクも云い過ぎました」
ファ「わたしはいつも人の気持ちってモノを考えずに、自分の気持ちだけを云ってしまうんだ……」
セル「そう分析できるようになったぶん、ファルネーゼさまは進歩なさってますよ……」
ファ「そうだろうか……そうかもしれんな……」
ガッツ(……おーい、いい加減にしろ、煮え切らないふたり。
こんな気まずい空気じゃ起きられねぇじゃねえかよ。おしっこ……)
ほのぼのベルセルク……
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