坂田「おうッ……時間かかったな」
桜井「……」
坂田「どうした、放心しきった顔をして」
桜井「いや、だって……」
坂田「まあ無理ないか。はじめてのときは、みんなそんなだ。ガンツのミッションと一緒」
桜井「そうなんですか?」
坂田「おれのほうは最高だったよ。久しぶりに三回戦もやっちゃった」
桜井「マジっすか」
坂田「即尺で一回と、マットで一回、ベッドで一回……いやぁイイ子だった」
桜井「……」
坂田「レイカといい勝負だったね、あの子は。おっぱいの張りとか、ほんとタマラン」
桜井「うらやましいッス……」
坂田「そっちはどうだったよ。おまえのぐらいの歳なら五回は楽勝じゃね?」
桜井「いや、それが、写真とぜんぜん違うひとが出てきて……」
坂田「あらら」
桜井「おまけに体重が三桁はありそうで……」
坂田「あちゃー、やっちまったな」
桜井「トリケラさんが出てきたかと思ったンですから」
坂田「わっはっは」
桜井「笑い事じゃないッス。ぼく、目をつぶって、ずっととんこつのコトを考えてました……」
坂田「ああ、それでムリやり立たせて……」
桜井「なんとか一回だけ……こんなコトなら、やっぱりやめとけばよかった……」
坂田「おまえが、後生だから連れてってくださいって云ったンだろうが」
桜井「それは……だってやっぱり、いつミッションで死ぬかわからないし……」
坂田「だから、とんこつにお願いすれば? って忠告したのに」
桜井「でも、えー童貞なの!?ってバカにされたらイヤだし」
坂田「考えすぎ。いつガンツ死するかわからないからこそ、ホントに好きな女とヤっとくべきだろ」
桜井「肝に銘じておきます」
坂田「おまえはね、なんでも生真面目に考えすぎなの。人生もっと気楽にぱーっと楽しまなきゃ!」
桜井「長生きしますよ、師匠……」
ほのぼのガンツ……
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フラウ「アムロ、いるんでしょ?」
アムロ「……」
フラウ「お食事と、制服の着替え、ここ置いておくから」
アムロ「……」
フラウ「じゃ、あたし、キッカたちを保育所に届けにいってくるからさッ」
アムロ「……」
フラウ「たまにはカーテンあけて空気入れ替えなさいよ……キャ!」
アムロ「ちょっとだけ、ちょっとだけ」
フラウ「待ってよ、もう……急ぐって云ってるのに……あァン……シャワーぐらい浴びようよぅ」
アムロ「……はぁはぁ……」
フラウ「うゥん……もう、いつも突然なんだからァ……」
三分後……
アムロ「ふ〜……」
フラウ「やだ、もう、自分だけ先に服を着て……」
アムロ「いいだろ、べつに」
フラウ「ジャブローについてから、こんなコトばっかり。たまには出かけたら」
アムロ「しょうがないだろ。ガンダムは動かないし」
フラウ「また、すぐパソコンにかじりついちゃって。……熱心になにを見てるのよ」
アムロ「ん……旧世紀のテレビ番組……」
フラウ「なぁに、アニメ?」
アムロ「この主人公がすっごいイライラするヤツでさぁ」
フラウ「ふーん」
アムロ「ロボットの操縦を任されてるヤツなんだけど、自意識過剰で、イジイジしちゃって」
フラウ「キリスト教の話なの? 使徒とか云ってるけど……」
アムロ「こんな主人公に地球の未来を任せるなッての! ぼくのほうがよっぽどうまく操縦できるよ!」
ほのぼのオリジン……
通信士「大尉、ノーマルスーツを着用してください!」
ドレン「ばかッ、指揮官がまっさきにノーマルスーツを着られるかよ!」
通信士「しかし……」
ドレン「兵士たちをおびえさせてどうする……」
通信士「では……せめて下着を着用なさってください……」
ほのぼのオリジン……
栗山「ねえ、どうするの……」
氷川「……」
栗山「このままおとなしく帰る気?」
氷川「……」
栗山「ハンターたち、みんな玄野クンの兄さんに気をとられて、油断しきってるわよ」
氷川「わかってる」
栗山「解散してバラバラになられたら面倒でしょ。殺るンなら、いまのうち一気に……」
氷川「うるさいな、すこし黙ってろよ」
栗山「わたしの腕も治ったし、もう足を引っぱらないわよ」
氷川「気づいてないのかよ。パンダがこっちをジッと見てる……」
栗山「……」
氷川「1センチでも刀を伸ばしたら、その瞬間に殺られるぞ」
栗山(ぞッ……)
氷川「まるで親の仇でも見つけたみたいな目をしている……」
栗山「なにか恨みを買うようなコトでもしたの」
氷川「身に覚えはないケド……」
栗山「……あ、ドアが開いた。みんな解散するみたいよ」
氷川「とりあえずクラブへ帰ろうか、今夜のとこは……」
栗山「手ぶらで? 仲間を何人も殺られてるッていうのに」
氷川「仕方ないだろ。あんなおっかないヤツに睨まれてンだから!」
栗山「ねえ……ついてくるわよ……」
氷川「わかってるよ……思ってたより足が速いな……ふうッ、ふうッ……」
栗山「クラブの場所を知られたらヤバくない? 二手に別れて逃げましょう」
氷川「まッ、待てって。あいつの狙いは明らかにオレだろ! はあッはあッ」
栗山「運がよかったらクラブで落ち合いましょ! じゃあね」
氷川「ズルいぞ、ひとりだけ……!」
氷川(はあッ、はあッ……ヤバい、あと10メートルもない……)
氷川(ドクン、ドクン)
氷川(ジーザス……っ!!)
ほのぼのガンツ……
桜子「あー、スイマセン、ちょっくら前を通らせてもらいますよ……」
粉川「イテっ! おいコラ、足を踏んだぞ、ネエちゃん」
桜子「なによッ、足を投げだして座ってるそっちが悪いンでしょ!」
粉川「……って、おい?」
桜子「あれ……もしかして巧くん?」
粉川「海老塚かよ……」
桜子「どこのヤクザかと思った。サングラスとりなさいよ。柄わっるい」
粉川「ちッ……あいかわらずだなぁ」
桜子「となりの席、空いてるンでしょ。座るわよ」
粉川「勝手にどーぞ」
桜子「フフン。まさか立体大の監督さんが、こんな高校生の地区予選から見学にきているとはね」
粉川「そういう東都女子大さんのスカウトもご熱心なコトで」
桜子「云っておきますけど、望月結希に最初に目をつけたのはウチですからね」
粉川「早いもの勝ちってワケじゃないだろう……」
桜子「遠慮してよ。立体大には麻理ちゃんがまだ現役でがんばっているじゃないの」
粉川「あいつの栄光はもはや過去のものだよ……ロンドンまでなんてとても……」
桜子「薄情なのね……ずっと一緒に柔道やってきた仲間なのに」
粉川「臨機応変といってくれ」
桜子「そんな薄情だから、保奈美のコトも……」
粉川「おいおい、彼女のコトを蒸しかえすのはヤメてくれよ」
桜子「巧くん、シドニーのときから変わったよね」
粉川「……」
桜子「柔道だって、あんなに一本にこだわっていたくせに……たしかに金はとったけれど……」
粉川「しかたないだろ。あーゆーポイント重視の戦いかたが、これからのスタイルなんだよ」
桜子「望月結希にはそんな柔道をやらせませんからねッ」
粉川「そんなに尖るなっての……おまえは中学ではじめて会ったときから変わンねーな、まったく」
桜子「……えっ」
粉川「このあと予定はあんの? よかったらどっかで飲みながら思い出でも語らない? あははー」
桜子(くっ、この屈託ない笑顔……十五年たってなお、私に女を思い出させる……悪党ッ)
ほのぼのとめはね……
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