桜井「ぐすっ……ぐすっ……師匠……うわあああ……」
稲葉「いつまで泣いてんだよ」
桜井「だって……師匠が……わあああ」
稲葉「死んだヤツのことはいったん置いといて、ケガ人をしっかりおぶってくれよ」
桜井「ぐすん……あ、ごめん」
稲葉「おれの腕と足も、忘れないで持ってきてるだろーな!」
桜井「ちゃんと持ってるだろ……」
稲葉「たしかに坂田のことは残念だった。だがな、ヤツは自分の意志で死を選んだんだ」
桜井「わかってるよ」
稲葉「いま大事なのは、生き残っている人間を見捨てないことだ! 違うか?」
桜井「……」
桜井(くそっ、ひとの肩ごしにエラそうな……)
桜井(レイカさんの命令じゃなかったら捨てていくところだ)
桜井(意外と重いんだよな、稲葉)
桜井(あーあ、風さんはイイな……たけしをかついでるといったところで、めっちゃ軽いもんな)
ふと、桜井とたけしの目があった。
たけしは、風の肩から身軽にとびおりると、桜井のほうへトコトコ走ってきた。
桜井「え……?」
たけし「いいから……ほら」
稲葉をぐいっと背負うと、力強く歩いていくたけしであった。
ほのぼのガンツ……
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