ジジジジジ……
坂田「……どこだ、ここ……ガンツ部屋か?」
桜井「……」
坂田「くそっ! やりやがったな、あれだけ念を押したのに」
桜井「師匠……」
坂田「ふざけんなよ、桜井! ひとのことより自分を解放しろと云っただろ!」
桜井「でも……おれ、3番を選ぶしか考えられなくて……」
坂田「そしてまたミッションで星人と戦えってか?」
桜井「……」
坂田「もう内臓も脳もボロボロなんだよ。これ以上生き長らえたとこで苦痛が増すだけだ」
桜井「そういうつもりじゃ……」
坂田「だがな、まだおまえは間に合う。能力を酷使しすぎるまえに解放されれば……」
桜井「……そんな! 自分ひとりだけ助かるなんてヤダよ!」
坂田「青臭いこと云うな!」
桜井「師匠は卑怯だよ! 師匠はおれを二回も救ってくれたじゃないか!」
坂田「……二回?」
桜井「最初はチカラを授けてくれたとき! そして鬼星人とのあと! 二回も!」
坂田「桜井……」
桜井「少なくともあと一回は、おれは師匠を生き返らす権利があるはずだ!」
坂田「……」
桜井「それに、このまま解放を選んだら、おれは師匠のことを忘れたまま
生き返ることになってしまう。それだけは絶対にイヤなんだ!」
坂田「……桜井」
桜井「頼むから師匠、生き返らせるななんて、ひどいことを二度とおれに云わないでくれよ!」
坂田「わかった、わかったよ桜井……おまえの勝ちだ」
坂田はうしろをむいてグラサンをはずすと、スーツのすそで目をぬぐった。
それからふたりはガッシリと抱きあった。
ほのぼのガンツ……
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