加茂「おーい、こっちだ」
大江「どうもお待たせしました。……ウェイトレスさんコーヒーください」
加茂「リクルートスーツが決まってるな。ばしっと」
大江「苦手です、ネクタイ」
加茂「そういうなよ。一生の安定を約束された生活とひきかえだろうが」
大江「そうですかね……」
加茂「まあ、なにはともあれ市役所に内定おめでとう! 乾杯!」
大江「コーヒーですけどね」
かちん!
大江「ところで、きょうはなんの用ですか? お金の無心なら、一応銀行でおろしてきましたけど」
加茂「おまえの計画性のよさと、人柄のよさには、ほんと頭がさがるな」
大江「あ……ありがとうございます?」
加茂「きっといい夫、いい父親になってくれることだろうよ、うん」
大江「はあ?」
加茂「しかも公務員だしな……わたしにはちょっと勿体なさすぎるかな」
大江「なんの話ですか」
加茂「……できた」
大江「…………」
加茂「四か月だ」
大江「……あの焼肉たべた日の一回だけで?」
加茂「一回じゃなかったろ。つぎの日の昼までホテルにいたじゃないか」
大江「…………」
加茂「指輪とかハネムーンとかは生活が落ち着いてからでいいよ。まずは籍だけ入れような」
大江(やられた……ぼくはいったい……望月さん……)
どうするゆかり…… ほのぼのとめはね……
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