ゆかり「ねえ、父さん」
父「なんだ……いま、昼寝で忙しいってのに」
ゆ「ボクの本棚にあったマザーグースの絵本を知らない?」
父「あ〜、あのへんのカナダからもってきた洋書なら、神田の古書街で売っちまったよ」
ゆ「勝手に!?」
父「ダハハ。ハリーポッターとかも原書だとけっこうイイ値段で引きとってくれるな!」
ゆ「なッ、なんてコトしてくれんだよ、このクソ親父!」
父「悪い悪い。でもあんなコドモむけの本、もう読まないだろ?」
ゆ「いくら金がないからって、ひとの本を勝手に売るなんて最低だよ!」
父「だから悪かったってば。代金の半分あげるから許せ」
ゆ「そういう問題じゃない! このゴク潰しっ、この無職・無能・無責任男!」
父「……コラ、父親にむかって、なんて口のききかただ」
ゆ「父親ぶるンなら、少しでも父親らしいところを見せてからにしてくれよ!」
父「……」
ゆ「だからイヤだったんだ! こんなコトなら、あのとき母さんにくっついていけばよかった!」
父「ゆ、ゆかり……」
ゆ「母さんと一緒に日本へ帰った、あの知らないオジサンのほうが父さんより全然マシだったよ!」
父「ゆかりッ!」
パシっ!
ゆ「……」
父(あっ、しまった……)
ゆ「ぶったね……加茂先輩にしか、ぶたれたコトなかったのに……」
父「ゆかり、あのな」
ゆ「ファッキン・ダディ! ゴー・トゥ・ヘル! アスホール!」
父「おっ、おい待てッて、ゆかり!」
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