大江「ボ、ぼくのプライバシーばっかり詮索するけどさ、そっちこそどうなのさ!」
麻衣「なにが?」
大江「麻衣ちゃんこそ好きな人がいるならば、は、白状しろよなっ!」
麻衣「いるよー、勅使河原くん!」
大江「……ううっ、そんなアッサリと」
麻衣「鵠沼の書道部って半分は勅使河原ファンだよ。わたしもカレ目的で急きょ入部したんだもん」
大江「そうなんだ。まあ、あるていど予想はつくとはいえ……」
麻衣「なに肩をずどーんと落としているの?」
大江「いや……やっぱり男は顔なのかなあと思って」
麻衣「ま、若いうちは顔でしょ。もうちょっと歳とったら経済力とか考えるけどさ」
大江「シビアなご意見」
麻衣「なによぅ。大江くんだって望月さんのかわいさに惚れたんでしょうに」
大江「う〜ん。というか、日本に帰ってきて初めて話しかけてくれた女の子が彼女だったから……」
麻衣「カモの刷り込みかよ……」
大江「か、加茂? 違うよ、望月さんだってば」
麻衣「だからそう云ってるじゃん。まあとにかく、これで我々二人の共通項が明らかになったわね」
大江「共通項?」
麻衣「二人とも面食いで、片思いで、書道にかこつけて異性の尻を追いかけている、と」
大江「それはちょっと語弊があるのでは……」
麻衣「だからねえ、これからは共同戦線でいくべきなのよ!」
大江「共同戦線?」
麻衣「たがいの恋を応援しあい、協力を惜しまず、共通の敵と戦っていくのよ! オーケー墨汁?」
大江「はあ……」
麻衣「眠そうな目で答えないで! ところで英語おわった?」
大江「いちおうなんとか……」
麻衣「じゃあ、お店、5時から夜の部がはじまるからヨロシクね」
大江「え? 昼だけの契約のはずでは……」
麻衣「友達と遊びいく約束しちゃったの。あたしのかわりにホールできるの
大江くんしかいないからさあ。協力は惜しまないってさっき誓ったよね?」
大江「……」
ほのぼのとめはね……
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