大江「おはよーございます……」
宮田麻衣「あっ、オハヨ!」
宮田父「おう、きょうも頼むぜ」
大江「はい、足手まといにならないようにガンバリます」
麻衣「わたし開店時間までワイドショー見てるから、大江くんは父さんほうの仕込み手伝っててよ」
大江「あ、うん……」
大江「えーっと、ネギを刻んで、おわったらゴボウのささがきと……」
宮父「おっ、なかなか包丁さばきがサマになってるじゃないか」
大江「父子家庭でしたから……父が仕事のあいだはボクが食事のしたくを」
宮父「ほう、それは感心だ。うちの麻衣に爪の垢を煎じて飲ませてやりたいぐらいだ」
大江「つ、爪の垢ですか……わかりました」
宮父「待て待て! 言葉通りに受けとるな、見習わせたいという意味の慣用句だ。手を洗ってこい」
大江「あ、すいません……日本語がまだ馴れてなくて」
宮父「履歴書の帰国子女ってのは本当だったな。まあ、麻衣の英語の家庭教師もよろしくなっ」
大江(一方的に英語の宿題を手伝わされてるだけなんですが……)
麻衣「父さんたち、仕込み終わった? あと五分で開店だよ」
宮父「おう、大江くんが手伝ってくれたおかげでバッチリだ。もうのれんを出していいぞ」
麻衣「お茶のセッティングも完璧じゃん。一日で仕事覚えちゃうなんて大江くんって使えね?」
大江「はは……そんなに誉められると後頭部がかゆくなります」
麻衣「ダメだよ頭かいちゃ! もう一回手を洗ってきて!」
大江「あ、しまった……」
麻衣「しかし、父さん、いいバイトを見つけたよね。麻衣もういらないんじゃない?」
宮父「ハハハ、そうだな。すぐお駄賃をねだる麻衣とは違って、バイト代もいらないからな」
大江「……すいません、いま聞き捨てならない会話がかわされたような気が……」
麻衣「あれー? あなたのお父さんから聞かされてないの? 契約のコト」
大江「は? 契約?」
宮父「きみの親父さんな、うちにツケがあるんだよ、6桁ほど……二週間で返してもらうから」
大江「……」
ほのぼのとめはね……
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