加茂(この日記帳、毎日毎日、ほとんどアタシのことばっかりだ……)
加茂(アタシってば、どんだけゆかりにヒドいことしてきたんだよ)
加茂(海より深く反省した。ゆかりに会ったら謝ろう……)
そのとき、玄関のほうから人の気配がした。「ただいまー」
加茂(わわっ! ゆかりが帰ってきた!)
加茂(髪の毛、乱れてないかな? 鏡チェックしとけっての加茂杏子!)
加茂(おっと日記! もとの場所に入れとかなきゃ!)
大江「さあ、どうぞあがって。むさ苦しいトコだけど」
麻衣「おじゃましま〜す!」
加茂の動きがとまった。(……だれ? この女の子の声?)
祖母「おかえり、ゆかり……。アラもうひとりお友達?」
大江「あ、おばあちゃん、紹介するよ、宮田さん」
麻衣「宮田麻衣です、いつもお世話になってます。こちらお土産のメロンです」
祖母「かわいらしくて礼儀正しくてイイ子ね〜」
義之「……おっ、なんだなんだ? ゆかりのヤツ、今日はモテモテじゃないか」
大江「父さん、いきなりなに云ってるんだよ、初対面で失礼でしょ」
義之「ケイちゃんがさっきから部屋でお待ちかねだぞ」
大江「ケイちゃん? だれ?」
義之「おやおや、これは修羅場の予感ってヤツか? きひひ……」
大江「ごめん麻衣ちゃん、うちの父、たまにへんなこと口走るんだ」
麻衣「……(よくわかんないけど笑っとけばいくね?)」
大江「とりあえず部屋にいこ。こちらへどうぞ」
加茂は日記をお手玉して、その場に落としてしまった。「ヤベェ、来ちゃう!」
押し入れをあけると上段にダイブし、ぴしゃっと閉めた。
加茂(なんで隠れてんだよ、アタシ……)
ほのぼのとめはね……
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