玄野「あ……母さん、コレ、よかったら受けとって……」
母親「なによコレ」
玄野「ほら、今日さ……」
母親「だから中身はなんなのって訊いてるの」
玄野「お財布、安モンだけど……多恵ちゃんと一緒に選んだんだ。開けてみてよ」
母親「タエって、あのオタクっぽい女の子? ふーん……。あら、ヴィトンとちがうの?」
玄野「あ、ごめん……予算があんまり……」
母親「まあ一応もらっておくけど。飾っておける分、カーネーションのほうがよかったかしらね」
玄野「……えっと、母さん、もし今日予定がないんだったら、このあと一緒に食事でも……」
アキラ「あれー? 兄貴、帰ってきてたんだぁ。珍しい」
玄野「あ、アキラ……」
母親「アキラったら、早くパジャマ着替えなさいよ。もうすぐ予約の時間よ」
玄野「え……どっか出かけるの?」
母親「パパといっしょに銀座のほうにね。美味しいうなぎ屋があるっていうから」
玄野「三人きりで……だよね」
母親「当たり前でしょ。あんた、なんの連絡もなしにいきなり来るから」
玄野「……」
小島「あっ、ケイちゃん。どうだった?」
玄野「うん……」
小島「お母さん喜んでたでしょ? とってもかわいいお財布だもんね」
玄野「多恵ちゃん、ゴメン……一緒に食事はムリだって」
小島「あっ、そうなの、残念……。じゃあ、私のうちで私のママと一緒にご飯しよっ! ね?」
玄野「多恵ちゃん……!」
小島「いたたっ。どうしたのケイちゃん? そんな急に抱きしめたら苦しいよ……」
玄野「多恵ちゃん、好き好き……ぎゅー」
小島「……がはッ」
玄野「やべ、スーツ着たまんまだった……!」
素敵な母の日を……ほのぼのガンツ……
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