ファミレスにて、午後七時。
大江「……とボブは発言した。だが返ってきたのは沈黙だけだった……と」
加茂「あとどんくらいだ?」
大江「七行ですね」
加茂「さーすが帰国子女。へたな電子辞書より、よっぽど使えるぜ」
大江「自分でやらないと身に付きませんよ……」
加茂「それは違うな、ゆかり。わたしは尊い自己犠牲を払っておまえに奉仕してるのだ」
大江「はあ……?」
加茂「わたしの英語を犠牲にして、ゆかりに日本語を学ばす機会を与えているのだよ」
大江「はいはい」
加茂「ご機嫌ナナメだな。きょうの部活、望月が柔道のほうに行っちまったからか?」
大江「ちがいますよ、もう〜。……はい、終わりましたよ」
加茂「おっ、ごくろう! いやー神さま仏さまユカリさま。この次も頼むよ」
大江「堪忍してくださいよ……(部長さんにチクってやる)」
加茂「きょうはわたしがオゴってやるから! ホラ太っ腹」
大江「ぼく、水しか飲んでないですけど……」
翌朝、通学路。
大江「あ、望月さんだ……お、おはよー」
望月「…………」
大江(あれ、イライラしてるぞ)
望月「あーら大江くん、おはよう。きのうはお楽しみでしたね」
大江「え……?」
望月「見たわよ柔道部の帰りに。ファミレスで加茂先輩と二人、仲よさそうにしてるとこ」
大江「あ、そ、それは……ちがう……」
望月「イーダ! さいならっ」
大江(はあ……また望月さんに嫌われた。もうあきらめたほうが無難かな……)
大江(正直……自分でも加茂先輩のほうが相性いいんじゃないかと思うことがある……)
大江(このまま鈍行でいくか、それとも急行にのりかえるか……)
大江(……)
ほのぼのとめはね……
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